メイン 実録・個人の昭和史II(戦後復興期から高度経済成長期) 羽生の鍛冶屋 本田 裕 | 投稿するにはまず登録を |
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編集者 | 投稿日時: 2010-8-8 8:22 |
登録日: 2004-2-3 居住地: メロウ倶楽部 投稿: 4289 |
羽生の鍛冶屋 本田 裕 19 私の人生観に幅を持たせてくれた”大学講座”との出会い 前回まで、刃物産地の鍛冶屋事情等を話して来ましたが、昭和40年代の私の個人史に戻り話しをて参りたいと思います。 昭和40年、重電機メーカーで働いておりましたが職場の人から、「通信教育大学講座」という、生涯教育の受講の勧めを受けました。知られざる教育者、生涯教育の先駆者、「高瀬兼介」先生との出会い、18人の指導教授との出会い、日本全国、北海道から九州までの、何千人もの受講生との出会いの機会を得ました。 鉄と共に歩んで来た5年間でしたが、鉄とはおよそかけはなれた、文化系の学問=”大学講座”に出会えたことは、私の日常の生活に変化をもたらし、私の人生観に幅を持たせてくれたと思います。 通信教育という指導教授の教科書をもとに、ゼミナール、地区学習会、等を通じて、2年間で選択科目最低4科目以上の論文の提出と合格点が卒業の条件でありました。12年間で30707人入学し、9227人が卒業を果たしました。私は最低で卒業させて貰いましたが、20科目提出の優秀な受講生は28人おりました。 戦後、女子高を対象とした文集、「いづみ」から出発して、誰にでも学べる、大学解放をめざし、高瀬主幹の生涯教育に賛同した18人の指導教授は、全国の受講生に、また、狭い視野の中で生きていた私達に、広がりのある知識を与えてくれました。 当時、各大学の教授であった「青木生子、一番ヶ瀬康子、氏家寿子、大石康彦、佐藤慶二、佐藤輝夫、高村勝治、田中美知太郎、森進一、辻ひかる、戸川行男、中野卓、二戸田六三郎、松木光、松田寿男、湯浅明、吉田精一、和久利誓一」の主幹を入れて19人の先生方の書かれた日本古典文学、社会福祉、生活管理、経済学、現代思想、フランス文学、英米文学、哲学、ドイツ文学、心理学、社会学、宗教学、栄養学、世界文化史、科学史、生物学、日本近代文学、ロシア文学、政治学、人生論、の教科書は、”心のこもった愛の書”でありました。 私は、一生懸命勉強をすることはありませんでしたが、高瀬主幹との出会いが、丁度、技能五輪大会への県大会に向けての時期であったこともあり、高瀬主幹の人生論を読んだ私は、励まされ、自分に負けてはいけないと、熱い闘志を燃やすのでした。 「希望、真実、愛情、信頼」の精神が、後の鍛冶屋人生の中で、困難を乗り越える時、人の幸せを願う時、お客さんの笑顔が見える仕事をめざす時など、大学講座で学んだ多くのことが、今の私を前向きに進ませてくれております。 |
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