私が入社した当時ですから、昭和３０年《１９５５年～》代のはじめです。
　今のような電卓などはもちろん無く、タイガー計算機など手回しの機械式のものは加減乗除しかできず、技術者が必要とする対数や三角関数の計算は計算尺に頼っていました。

　計算尺は対数計算を応用したものですから、足し算や引き算は出来ません。

　掛け算や割り算が出来ます。
　しかし、掛け算や割り算は、タイガー計算機ではもちろんのこと、筆算でも出来ます。

　しかし、対数計算や三角関数などは計算尺に頼るのが普通でした。

　もっとも有効数字が４桁なのです。
　４桁の数と４桁の数を掛け合わせると、答えは８桁になるのですが、計算尺では先頭４桁しか使えません。

　それでも、有効数字の概念が判っていれば、技術計算では十分なので実用になっていました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｔｏｓｈｙ

toshyさん

　僕の机の引き出しの隅から計算尺が出てきました。
昭和２０年《１９４５年～》代のものです、革のケース付きで胸のポケットに入れて持ち歩くようになっています。
長さ１０ｃｍと小形ですが、これでもちょっとした計算には使えました。

電卓がなかった当時は、職種を問わず技術者の必需品でした。
もっとも、電気技術者用とか建築関連とかそれ専用の計算尺もあって、それに相応しい関数計算が出来るようになっていました。
長さは２５～３０センチ程度のものが主流でしたが、中には長さが５０ｃｍ以上の大型のものまであって、ちょっと精密な計算などに使いました。

素材は物差しと同様に竹でした。

らごら さん
　コメント有り難う御座いました。

　当時現場技術者は作業服の胸ポケットに必ずと言って良いほど、
計算尺を挿《さ》して居ましたね。

　長さが 10cm 位のは幅も 15mm 位でしたが、私は長さが 20cm 位
の皮ケースに入った電気技術者用のものも使って居ました。

　いや電気技術者では無く、機械技術者用で良かったのですが、電
気技術者用の方がラジアン《=幾何学用語》などの計算に都合が良かったものでしたから。
　　　　　　　　　　　　ｔｏｓｈｙ

Toshy さん　私のところにも計算尺あります。
Hemmiの251（一般用）、255（電気用）、Ricoh551、の３本です。
255は電気用でラジアン角度の変換目盛り、三角関数目盛り（ラジアン）、双曲線関数目盛等がついています。
551は機械用の小型でLL尺と１以下のべき乗が計算できるLLバーの目盛りがあります。現役時代は仕事の内容によって使い分けていましたが現在は時々一般計算に使うこともあります。安全係数をかける計算では電卓のような桁数は無意味でした。外国人が感心したのはRicoh551でした。
kozaru

何故か私の処にもHEMMIのNO.34RKが出て来ました。使用経験有り。
同時にHEMMMI JUNEE NO.12も。之はプラスティック製でなんと
財団法人実務研究所の名入り。多分親父殿の研究癖《けんきゅうぐせ》の残渣《のこりかす》？

次も多分親父の買い物。加え算、引き算、掛け算、割り算のみの
説明紙切れ付。ブリキ製で五本の窓に０から９が並び操作用の鉄
針付き。POCKET CalculatorとありMBCのマーク入り。
PAT 491798. & PATP 26278 35680 MADE IN JAPAN　とある。

ポケット計算機株式会社とあり本社は赤坂青山南町５－６６にて
東京支店大阪支店も明記してあるが、使用競技で一等賞品として
スバル３６０などと有る処は少々胡散臭い《うさんくさい=あやしい》代物か。

其れ丈に珍品には違いない。　　　　 　　変蝠林(1917-)


　

----------------
変蝠林

変蝠林さんのお持ちのものは型番からまさにレア物と推測します。今度お伺いする機会がありましたら拝見させてください。
私の学生時代の先輩が「MADE IN OCCUPIED JAPAN」と刻印のある計算尺を持っていました。ヘンミ（逸見？）という方はその時代に珍しい日本に帰化された方と聞いています。戦後の時期、貴重な外貨を獲得《かくとく》された方と推測しています。
kozaru

kozaruさん

引用：

御来駕《ごらいが=来訪の尊敬語》大歓迎！
親父殿が矢張り変で珍発明品を買い漁る《あさる》癖がありました。

引用：

Ｍｒ．Ｈｅｍｍｉ？　工場が成増《なります》駅から甘辛古城へ行く道の左手に
在りました。よっこ宅の御近所？　最早取壊し《とりこわし》済かな。

----------------
変蝠林