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     昭和十三年刊「伊日辞典」 (紋次郎)
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編集者
投稿日時: 2004-3-23 17:50
登録日: 2004-2-3
居住地: メロウ倶楽部
投稿: 4289
昭和十三年刊「伊日辞典」 (紋次郎)
吉田彌邦教授・伯爵藤堂高紹著「伊日辞典」昭和十三年刊

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 この本は老生の蔵書中の白眉《はくび=最も傑出している》とも言うべきもの。共著者が藤堂伯爵なら装丁《そうてい》は山下新太郎画伯、序文には駐日イタリア大使アウリッチ閣下、のほかローマ教皇庁のマレッラ大司教が顔を並べています。日伊関係はイタリア人イエズス会士ヴァリニャーノの計らいで天正10年九州のキリシタン大名の子弟四名が羅馬《ローマ》の土を踏んだことに始まります。

 その縁で本書も裏表紙の見返しに伊東マンショの手記と花押《かおう=署名のしたに書く判》が入っています。
こうなると単なる辞書の域を脱してもう文化財と云っていいのでは?
なお、花押その他は藤堂伯が教皇庁《きょうおうちょう》から贈られた16世紀の刊本(「草創期の羅馬《そうそうきのローマ=興しはじめの頃》駐在日本大使」仮訳)から採ったもののようです。

 辞典としては、前の所持者の書き込みの多さからみて決して満足のいくものではないかもしれませんが、動詞変化《へんげ》表と並んで、駐日教皇庁使節や駐日外交官の氏名(在任期間も)駐伊外交官の氏名などを掲載しているところは辞書としては異色中の異色と思われます。

 なお、さらに云えば、M の項にmussolinianoムッソリーニの(形)を載せているのにFの項にfascismo(ファシズム)やfascista(ファシスト)を載せないのは片手落ちのような気もします。しかし最初に本書の刊行を思い立った藤堂伯が震災で資料のすべてを灰燼《かいじん=焼けて後無きこと》に帰し、全くの無からの再出発だったことを思えばそれも致し方のないことだったのでしょう。紋爺老忖度《もんじろうそんど=もんじろうさんが相手の気持ちを推して》

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紋次郎

 [代理投稿]































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